☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
HASTICニュースレター
第169号 2018年11月15日
北海道宇宙科学技術創成センター
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
=====================================================
-今月の目次―
☆ご報告:「スペースプローブコンテスト」報告
☆ご報告: 第164回経営企画委(平成30年10月29日)
○ 「スペースプローブコンテスト」 ○
大きさが外径15㌢、全長34㌢、重量1㌔㌘以下の機体を「宇
宙探査機」(スペースプローブ)に見立てて小型ロケットで
上空約百㍍から放出し、着地点までの制御技術を競う「2018
スペースプローブ・コンテスト」(主催・植松電機、HASTIC・
共催)が9月15日、赤平市の植松電機で開かれた。
参加したのは高校3チーム、社会人2チームで、東京のIT企
業が初参加するなどコンテストの幅が広がりを見せ始めたが、
競技の結果、パラフォイール翼でターゲットから11メートル
余に着地させた琴似工業高が昨年に続いて最優秀賞を獲得し
た。
また、2年目を迎えた「ロケット部門」には、中学生から社
会人まで、前年の2倍に当たる10組が参加した。
競技会の柱である「プローブ部門」は、小型のカムイロケ
ットから上空で放出された探査機を、放出点の周辺3カ所に
設置されたターゲットにできるだけ近く着地させる課題と、
着地に至る探査機の制御技術の達成度を競い合う内容。
社会人チームの「チーム岩井家」と富良野緑峰高はパラシ
ュートで降下する探査機内部から小型の「ロケット」を、札
幌東高はドローンを飛ばしてターゲットに落とそうとした。
また、IT企業(東京)の社員有志からなる「宇宙工房」は探
査機に水と圧縮空気を詰め、3カ所の穴から水を放出させて
探査機を移動させる高度な「スラスター技術」に挑戦した。
競技では、パラシュートが開かずにドローンを放出できな
いなどのトラブルが続いたが、空中で展開したパラフォイー
ルを無線である程度制御するこができた琴似工業高が、着地
距離では1メートル近かった「チーム岩井家」に総合的な技
術力で上回った。
本格的なスラスター技術に挑戦した「宇宙工房」は放水シ
ステムがうまく働かず、ターゲットからの距離が30メートルを
超えてしまったが、「また、挑戦したい」と意欲を示した。
「プローブ部門」の入門編として創設された「ロケット部門」
には、昨年(5チーム)の2倍の10チームが参加。同じ推進薬を
使い、できるだけ大きな機体で高度40メートルを目指す競技に
挑戦した。厚紙のモデルロケットが大半を占める中、士別市の
吉中博道さんが全長1・2メートルと通常の2倍近い長さのロケ
ットを薄くて軽いコピー用紙で組み立て35メートルまで飛ばし、
2位の北見工大の2倍近い高得点を得て最優秀賞に選ばれた。
今回の競技では、屋外にカレーやコーヒーを提供する屋台や
見学者用の椅子とテーブルが用意されたほか、競技の様子がユ
ーチューブでも初中継されるなど、イベントとしての工夫が凝
らされた。
今回の競技会について審査員を務めた永田晴紀・北大院教授
は「探査機の制御にスラスターを使うなど本格的なミッション
への取り組みが増えてきた」と技術的挑戦の姿勢を評価。主催
者の植松努・植松電機社長は「東京の企業が初めて参加し、ロ
ケット部門の参加者が倍増するなど参加者の幅が広がってきた。
北海道での宇宙イベントとして定着させてゆきたい」と抱負を
述べた。
○ 第164回経営企画委委員会 ○
日時:平成30年10月29日(月)
場所:HASTIC事務所
議題:
1.北海道スペースポート関連
10/17(水)に開催された第15回ニュースペース研究会の様子
が報告された。テーマは有人宇宙・スペースポート・射場で
あった。
2.展示会等
11/8(木)~9(金)にアクセス札幌で開催されるビジネスE
XPOに出展を予定しており、その準備状況が報告された。ア
クセスサッ札幌は例年21000人前後を集客し、今回は370社前
後の出展が見込まれるとのこと。
3.道衛星ビジネス協PT
北海道庁より、衛星データを利用した新たなビジネスの創出
を具体的に検討する枠組みとして、北海道衛星データ利用ビ
ジネス創出協議会内にプロジェクトチームを立ち上げたこと
が報告された。具体的には、輪作の作付状況識別と圃場管理
の簡素化を目指すテーマと、農作物の生育診断や病害虫診断
に衛星からのハイパースペクトルカメラのデータを利用する
テーマについて検討するとのこと。
4.事務局報告
上半期の決算が纏まったことが報告された。
道教育大付属函館中学から訪問学習受入れの依頼が有り、北
大総合博物館に展示されているCAMUIロケットコーナーを案内
することとなったことが報告された。
5.WG報告
・小型無人超音速機
1/3スケールモデルの飛行試験に向けて走行試験を実施中であ
ること、エンジンの開発が順調に進んでおり、間も無く燃焼
試験に移行する見込みであること、室蘭工業大学が開発する
超小型衛星「ひろがり」のクラウドファンディングを11/12
(月)に開始予定であること、11/20(火)に室蘭で航空機
産業フォーラムが開催予定であること等が報告された。
・宇宙環境利用WG
コスモトーレの利用状況等が文書で報告された。
・ハイブリッドロケットWG
ガス酸素を酸化剤とする超小型探査機用キックモータの開発
を開始する予定であること、推力3 tonf級までの燃焼実験が
可能な試験設備が年内に整備される予定であること等が報告
された。
6.その他
特に無し。
以上