HASTICニュースレター 163号

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HASTICニュースレター

第163号 2018年4月9日

北海道宇宙科学技術創成センター

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-今月の目次-

☆ ご報告:ビジネスEXPO 2017

☆ ご報告:経営企画委員会

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○ ビジネスEXPO 2017 ○

「躍進 革新 北海道」をメインテーマにした北海道最大級のビ

ジネスイベント「第31回北海道 技術ビジネス交流会(ビジネスEXP

O)」が11月9、10日、札幌市白石区のアクセスサッポロで開かれ、

今年もHASTICを中心とする「宇宙のまちづくり推進事業実行委」が

ブースを出展。7月末に大樹町で行われた観測ロケットの打上げが

注目を集める中、同町周辺に宇宙基地を建設する構想の実現を訴え

た。

ブースを出展した「広域宇宙センター実行委」はHASTICと北海道ス

ペースポート研究会、とかち航空宇宙産業基地誘致期成会、大樹町

で構成された。会場中央部の「地域創造ビジネス展示ゾーン」に幅

10メートルのスペースを借り、「北海道スペースポート構想」の大

型イラストを中心に、人工衛星データを使った産業利用例やロボッ

ト農業の事例などを15枚のポスターで紹介したほか、インターステ

ラテクノロジズ(IST)社が7月に打ち上げた観測ロケットのノズルや

カムイ型-90Pロケット、超小型衛星「HIT-SAT」の実寸模型を展示

した。

また、室工大の航空宇宙機システム研究センターが小型無人超音速

機の3分の1サイズ模型やGG-ATRエンジンなどを展示、東野和幸セン

ター長が今回のイベントにツアーで参加した工業高校生らに最新の

研究内容を説明したが、「展示に興味を示す高校生の目は輝いてい

た。来年以降、多くの高校生がウチを受験してくれるのでは」と手

ごたえを口にしていた。

今回の出展ではHASTICの石原哲也専務理事や帯広市、大樹町の担

当職員らが説明にあたったが、ブースには展示会の高橋賢友・実行

委員長(道経連会長)や北海道スペースポート協会の丹保会長らが

訪れて展示物を視察し、「北海道スペースポート構想」について意

見交換を行った。

今回の展示会には345の企業・団体が出展、2日間で2万1千人近い

来場者を集める盛況ぶりだった。

○ 経営企画委員会報告 ○

平成29年11月27日(月)14:30より、HASTIC事務所において第154

回経営企画委員会が開催された。出席理事は10名、陪席は1名。会

議の概要を以下に報告する。

1.スペースポート関連

上杉理事長から民間宇宙開発に関する最近の動きについての報告

があり、昨年11月に成立したいわゆる「宇宙活動法」に基づいて

「法律施行規則」が11月15日に内閣府令として発令され、人工衛星

の打上げや打ち上げロケットの許可や型式認定の申請受け付けが始

まった。施行規則には審査基準や申請のマニュアル、申請に係る様

式などが記載されており、民間の小型ロケット開発会社も設立され

るなど、活発な動きは見られていることが説明された。これらの動

きに伴って、北海道でも関係機関や地方自治体など官学民の連携の

下、新射場開発や運用の事業化に向けた具体的な検討が必要になっ

ていることが明らかにされた。

宇宙開発の商業化利用については伊藤特任理事が報告を行い、

「中小ベンチャー宇宙ビジネス研究会」(座長・坂本規博・自民党

特別研究院)が29年8月に設置され、HASTICとして参加しているこ

とが報告された。この研究会は自民党政調会の諮問機関に位置付け

られており、審議の結果を答申して自民党の政策にも反映される。

メンバーは大樹町のIST社を含む宇宙ベンチャー約30社で、毎月開

かれる研究会では様々な商業化のアイデアが出されているほか、大

樹に射場ができた場合、利用したいというベンチャー企業も10社ほ

どあるという。

伊藤理事からはこのほか、人工衛星データを地上で集約して利用

法を研究するJAXAのデータセンターが山口大に設置(平成29年4

月)されたが、2か所目のセンターを北海道に誘致する必要性も指

摘された。

2.スペースポート研究会関連

北海道スペースポート研究会(HSP)の第8回代表幹事会が11月28

日に札幌市内で開かれる。4月以来の開催で、航空宇宙に関する中

央と道内における動向が報告されるほか、平成29年度の研究会や活

動事業について審議される。また、HSPの会員企業は十勝地方を中

心に増加しており、11月期で69社に達していることが、事務局を兼

任する石原専務理事から報告された。

3.自民党の航空宇宙関連公約

2017年11月に実施された総選挙に向けて自民党が公表した選挙公

約が事務局から紹介され、「宇宙2法の早期施行などによる宇宙産

業の振興と宇宙利用の拡大」「わが国の安全保障に資する宇宙利用

の促進」などがこれまで通り掲げられていることが報告された。

4.衛星データ利用研究会報告

道庁の主催事業で、第2回研究会が11月20日、札幌市内の会議場

で開かれ、10月に打ち上げられた準天頂衛星「みちびき」の利用法

などについて経産省宇宙産業室の山崎秀人室長補佐が「衛星測位シ

ステムについて」を題する講演を行ったほか、北大院の野口伸教授

が「ロボット農機の現状と普及」などのテーマで測位システムの利

用事例を紹介した。

道庁からはこのほか、12月21日にホテルポールスター札幌で、

「宇宙ビジネスセミナー」を開催することが紹介された。北大院の

鈴木一人教授が「北海道の宇宙開発の六次産業化」と題する法権を

行うほか、IST社の稲川貴弘社長と北大院・高橋幸弘教授が取り組

み事例を紹介し、出席者同士でパネルディスカッションが行われる。

5.道経連報告

道経連と経団連の経済懇談会が10月5日、札幌市内のホテルで開

かれ、席上、道経連の増田正二副会長(帯広信金会長)が「宇宙関

連産業の推進」をテーマに「大樹町への小型ロケット射場の整備に

協力を」と要請したのに対し、経団連の山西健一郎副会長(三菱電

機会長)が「射場は人工衛星を自在に、自律的に打上げるために必

須の基盤で、抗たん性の観点からも新しい射場を整備する意義はあ

る」と答え、大樹町で誘致が検討されている射場の整備に協力する

姿勢を示した。

6.事務局報告

第31回ビジネスEXPOが11/9(木)~10(金)にアクセスサッポロ

で開催予定のビジネスEXPOでは、「地域創造ビジネスゾーン」で3

ブース分の出展を予定している。パネルを15枚ほど展示出来るス

ペースがある。今回は「ものづくり」を前面に出した展示としたい。

人工衛星のデータを利用したロボット農機や室工大で開発されてい

る超音速実験機の縮尺模型やガスタービン、インタステラ社の「モ

モ」と軌道投入モデルそれぞれの8分の1モデルも展示したい。

懸案となっているHPのリニューアルについて、3社から見積りを

取った結果、札幌のサトウ電器サービスが妥当として、同社に発注

することが了承された。画面デザインを一新し、メニューも大幅に

見直す方針だ。

WG活動を支援するWG推進事業について、申請のあった5件の事業

を検討の結果、「超小型衛星によるリモートセンシング技術の向

上」(北大院・高橋幸弘教授)、「人工衛星のスマート農業への利

用研究」(北大院・野口伸教授)、「白老エンジン実験場における

300M高速軌道設備の基盤研究」(室工大・東野和幸教授)「係留ハ

イブリッドLTAの開発」(北科大・三橋龍一教授)「日本宇宙生物

化学会の動向調査」(北大院・吉岡充弘教授)の5件が採択された。

推進費は1件20万円未満で、29年度内に実験、研究開発を行い、報

告書の提出が義務付けられている。

7.WG報告

・ハイブリッドロケットWG  長時間燃焼用に新たに燃料形状を設

計したモータのサブスケール(2kN級)の燃焼実験を12月7日にス

タートさせる。

・小型無人高音速実験機WG 12月13日に小型模型機による完全自動

離発着陸の公開実験を白老滑空場で実施する。

・固体ロケットWG 低融点推薬を燃料に使う100メートル級と1000

メートル級の打上げ実証機の開発を植松電機で行っている。100

メートル級では燃焼実験を3回実施したが、着火の遅れがみられ、

対策を検討中。

関連で、秋葉会長が開発したEz-Spaceが大樹町多目的航空公園内

の「SORA」に設置されることになり、12月に設置工事が行われ、来

年4月の施設の改装オープン時に披露される

8.その他

・12月の経営企画委は25日午後2時半から、事務局で開催の予定で、

会議の終了後、忘年会を計画している。来年1月の経営企画委は23

日午後2時半に開催の予定。年明けの中央要請活動は 1月25,26日

に行う予定で準備を進める。

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